体に関して真面目に思うこと

2012.05.31

マイホームを建てたら、デザイナーさんが「こじらせて」しまい、やたら挑発的で新進気鋭な建物が建ってしまった。
どこが気鋭かというと、一本とて垂直に立っている柱がないのである。全部ななめ。直角・垂直なんて響きとはかけ離れている。傾斜の総和で、うま~い具合に釣り合いがとれている。緻密な計算でやっと建っている。
違和感を覚えつつもそのまま住み続けて、気がつけば築20数年を過ぎた。
経年劣化でちぢんだり浮き上がったりとガタが来てしまっている。絶妙なバランスで建っていただけにそれがちょいと崩れただけで今にも崩れ落ちそうだ。リフォームしよう。えーとえーと竣工当時の設計図は。あれ?無い!!…。

それでもどうにかリフォームしてくれる業者を見つけた。
まずは現状把握。
そのまま生かすところ、取り替えるところ、動かすところ、動かした負荷を分散させるところ…
リノベーションなので着地点はいくらでも考えられる。「ガレージを新しく付けたい」という希望もあるけれど、「ドアが天井に付いてちゃダメ」なんて基本的なルールもある。どれを優先させれば多くの要望を満たせるのか、持ち前の材料を活かせるのか、短期間で済むのか。
傍目で見てて、持ち主の私でさえ匙を投げたくなっちゃう。何しろ、下手に一箇所動かすだけで崩れ落ちてしまうような代物だからね。もう、一から建て直しちまえ、って感じ。

歯列矯正で、そんなようなことをしています。
私の奥歯は全然噛み合ってなくて、そのために体全体が歪んで頭痛や手の痺れがありましたが、このところ体全体が変わってきた実感があります。先生(上で言ったらリフォーム業者)は粘り強く向き合ってくれてるなと思います。ほんとに足を向けて寝れないです。

同時に、建築物のように静的な構造で語りきれないものが体であるということも、大いに気づかされることのひとつです。

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私の通院しているところは首まわりの位置なども修正しながら理想の噛み合わせに導いて行くんです。
体をひねって、現れてきたところを押しながら、矯正のワイヤーをペンチで曲げる、といった具合です。ほんと、体全体の平衡のあらわれとして歯を見ているんだよね。
この間尋ねました。「一粒一粒の高さや向きを変えて歯が並んできたのは実感しますが、そもそも顎自体は体に対して水平になっているんですかね?」。結構抽象的な部類に入る質問だと思います。
したら、なんと顎の水平をはかる方法と道具があるんだって!あるのかよ!あるなんて!大まかに言うと、両耳の穴に水平計のついた棒を挿すんだそうです。我々は先人の知恵と経験の恩恵を受けて生きている、そう痛感致しました。かしこ。