大阪に行った話

もう一ヶ月以上前になるけど、傷心して大阪に行った。さすらいのスナフキン。

心が傷ついたのですよ、ええ、とっても。来る日も来る日も自分を慰めているのにいい加減辟易した。なげやりに新幹線に乗った。なんてタフそうに言いたいけれど実際には主体的に大殿筋やら大腿二頭筋やらを動かして東京駅まで辿り着いた。それでも大阪行きの切符を買ったのはなかなか当てずっぽうだった。大阪弁の飛び交うチェーンのファミレスで一晩中ぼーっとしている私が情景として脳裏をよぎり、そのうちにすっかり頭を占拠されたのだ。想像力が狭いなあ、と人は言うかもしれない。まさにその通りなんだよ。「自分を慰めていた」っていうのは具体的に何をしてたかっていうとね、やっぱり都内のチェーンのファミレスで一晩中ぼーっとしていたんだよ。カンバセーションマイセルフ、ドリンク飲み放題。行動範囲の狭さじゃ団地の蟻にだって引け目をとらないよ。

ロイヤルホストやインターネットカフェやスターバックスやアップルストア以外にも大阪には実に色々なものがあった。セーヌ川の代わりに道頓堀があったし、エンパイア・ステートビルの代わりに通天閣や空中庭園展望台があったけれども、展望台は頂上の一歩手前というところで撤退してきた。 なぜかというと携えたカメラのレンズが50ミリだったから。このレンズは360度の大パノラマを前にしたら、ビル5つと空の絵が入ってる画用紙一枚しか切り取れないんだよ。旅行支度らしいことはほとんどしてなかった割に一眼レフはちゃっかり携えていた。それが礼儀というものだ。とにかく、目と鼻の先にナウマンゾウがいて、700円を払うか否かで引かれる境界線があって、その内側で猫の額ほどの虫取りカゴを抱えている、それが私。せめてもっと広角のレンズを持ってきていたなら、どうせビル群を撮ってもつまらないんだろうなと思いつつ入場料700円をしぶしぶ払い、予想通りつまらない写真が撮れたといって降りてくることもできたし、それに加えてもう辺りはとっぷり日が暮れていて、偶然怪物級の太っとい三脚が目の前に落ちていたりなんてことがあったら大興奮で入場料700円を叩きつけることもできたかもしれないし、やっぱりつまらない夜景を撮ってしょぼしょぼと降りてきていたかもしれない。

ひとつ学んだのは、大阪の人は鳩をいじめる、ということだ。男も女も鳩を見たら駆け出す、と言ったら誇張だけれど嘘じゃない。大人は子供をけしかける。ほれ、鳩、鳩。みたいな。確かに子供を遊ばせておくのに丁度いいよね。全く私は人間の反射神経を試すためにいるんですかクルッポーと嘆きたくなるよね。ここは大阪だという固定概念が色メガネをかけさせているのは重々承知しているよ、例えば銭湯に行ったとき脱衣場で延々とおっぱいを丸出しのまま歯をみがいたり髪を乾かしている女を見て、おお、大阪の女はおっぴろげやなあ、と思ったりしたもの。それが土地の人かどうかなんて分かりやしないもんね。
でもそれはともかくさ、鳩が過不足なくその両手のひらにおさまってしまったらどうしようね。ただただそこはかとなく「あっ。」ていう感じだよねきっと。私が大阪で幸せの鳩を捕まえられたかは不明。
あっ。
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