コーヒースタンド、ホイップクリーム、ツバメ

もう5月ですね。今週私は横浜の関内でお仕事をしています。毎年4月と5月に一週間づつあるお仕事で、先月の一週間も稼働させて頂いたし、去年も使って頂いた。普段の展示会だったら3日くらいで会期が終了しちゃうけど、今回は一週間まるまる関内に通うわけです。
仕事場の敷地内に休憩場所がなく、まぁ天気が良ければ近くの公園に出て春を漫喫するのに絶好なんだけれど、基本的には休憩の度にどこかの飲食店に入って一息つく。飲食店に入ればコーヒー一杯でも頼まなくちゃならない。通り沿いにある喫茶店のコーヒーチケットをクライアントさんが毎日下さるので助かる。これは昔のスタンドコーヒー屋さんといった風貌のお店で、先月の一週間は毎日そこで、ブレンドもしくはオリジナルコーヒーにトーストとゆで卵を頼むのが日課になっていた。気が向いてホットココアを頼んだこともあった。200円。食事でもないのに「お席までお持ちします」と言われ、少したって出されたのがホイップクリームがこんもり山になったコーヒーカップだった。ソフトクリームみたいにとぐろを巻いて高く積まれたホイップに、あろうことかチョコソースまでもが親の仇のようにトッピングされている。コーヒースプーンをココア本来に到達するほど浸けると表面張力が限界を超えることから推察するに、その油脂の山はかき混ぜるのではなくそのままお食べ下さいということらしい。ココア自体も微塵も許す気のない手酷い甘さ。2時間は胸がムカムカしたほどサービス旺盛なデザートドリンクだった。

今月初めての来店で、ごちそうさまです、と呟きカップを返却口に戻して店員の前をすり抜けようとすると「いつもありがとうございますー」と声が帰ってきた。そりゃ一週間通ったけれども、それから一ヶ月ぶりに来たというのに覚えてくれているとは。けれども今週通い終わったら少なくとも一年はここには来ない。寂しいけど、自分がツバメか鮭のような季節ものになった気分だね。喫茶店は多かれ少なかれツバメの巣のようなものかな。
2012.5.8
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